イタリア地獄とドイツ地獄


『地獄の入り口に受付がいてさ、亡者に訊くわけ。イタリア地獄がいいか、ドイツ地獄がいいかって。』

町長

ども、町長です。
ちょっとバタバタとしておりまして更新が遅れましたが、先日、5日にGlassKaoriaさんにお会いする為、グラスタウン職員を連れて大阪まで行ってまいりました。
JR大阪駅に着いたのは12時前、約束の時間は13時、場所は阪急ホテルのラウンジということになっております故、とりあえず駅北側へ出ますというと、そこには物欲の殿堂ヨドバシカメラがどどーんとそそりたっておるわけでありまして、カメラ・電化製品・パソコンの重力の支配を受けやすい同行職員のマナコが若干つり上がったのを私は見逃さないのであります。
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...が、時間はもうお昼ということでお食事処の確保が最優先事項なのであります。早速地下に潜りましてたどり着いたのは「民芸そば しのぶ庵」、若干待ち有り。
実は本日同行の職員は去年の暮れにバイクで転倒して骨折なんぞしておったもんで、あんまし遠くへは歩いて行けないのであります。なんでも、夜に歩道の段差に気付かずに足元をすくわれて、コケた拍子にバイクのシフトペダルが足に刺さったそうであります。まあ、ちょっと痛そうではありますが...、私ならそんな歩道ごときの段差、ああやってこうやって、ぴょいんとクリアするのでありますがなぁ...、こまったもんです、はっはっは...。
あ、今日は口にする前に写しました。(もう、そばはつゆに浸かってますが...)
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おそばも、とろろかけご飯もおいしゅうございましたです。
向かいの席の職員はというと...
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...お、きみそれ海老天じゃないか...、私のおごりだからね...、味わって食べて、栄養は足に集中するように。

「ごちそうさま」するとちょうどいい時間になって居りましたので、足の不自由な職員の歩調に合わせつつ阪急ホテルへブラブラと向かいます。

村上春樹著「遠い太鼓」 のウビさんは続けます。

『どう違うかっていうとね、内容は同じわけ。縛りあげられて上から吊るされて、一日三回肥だめにどっぷり漬けられるんだ。頭のてっぺんまで。イタリア地獄ではイタリア人がロープを操作して、ドイツ地獄ではドイツ人がロープを操作するんだ。』

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さてさて、ラウンジではGlassKaoriaさんの新作を見せていただいたりしつつ、ガラスはもちろん、海外旅行やヴェネチアの話で盛り上がったりします。ヴェネチアには私もかなり前に行ったことはあるのですが、彼女のお話を聞いていたらまた行きたくなってきました。
職員に「行ってもいいか?」と訊いてみましたが、即座にダメ出しされました。ちくしょー。
まあ、兎にも角にも伸び縮みする時間の法則と致しましては、楽しい時間はあっという間に過ぎちゃう訳でして、お話をいっぱい聞けた割にはあっという間のラウンジ居座りなのであります。さすがにおかわり2回目のコーヒーは遠慮しましたが...

GlassKaoriaさんがヨドバシカメラに行かれるそうなので、ヨドバシカメラまでご同行。ビーズ屋さんなどを少しまわった後、GlassKaoriaさんとはお別れしたのですが、問題はその後。一緒にカメラ売り場まで降りたはずの職員が見当たりません。しょうがないのでしばらく売り場をウロウロしていると、漸く私に気付いた職員が、遊び足りない小学校低学年男子児童のような顔をしてやってきました。 君は足が痛かったんじゃないのかねぇ、まったく。発売間もないデジイチを前に、自分を見失う寸前で我に返ったようですが、まあ、いつもの彼の行動パターンといえばパターンではあります。
ほんじゃまあ、帰りますか?ということで、正気に戻った職員と二人、喧騒に包まれた店内から夕暮れ近い店の外へ。JR大阪駅へ向かう横断歩道の雑踏の中を流れに逆らわずに歩いていると、ふとさっき話していたイタリアのことが頭をよぎります。

『絶対にイタリア地獄がいいよ。三回に二回は漬けるの忘れちゃうから、ははは』

ウビさんはイタリア人を笑うけど、私はそんな鷹揚で明るくて陽気なイタリア人が結構好きです。
村上春樹もゲーテを引き合いに出して書いています。
『イタリアというのは実に神に愛された土地なのだ。暖かく、美しく、そして豊穣である。』

と。
だから、お願い。またいつかイタリアに行かせてね。

2015/11/20 12:14 Update