一年後...
2013年10月28日(月)
ども、町長です。
台風26号と27号が仲良く吹き荒れる中、電車の心配をしながらも26日から開催された内田さんの個展に行ってまいりました。
今回の個展の見所は、私がくどくどご説明するより、内田さんご本人よりお言葉を拝借いたします。
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2013年 個展によせて
熱帯の森に足を踏み入れたときに感じた、そこに生い茂る植物やその集合体である森の意思のようなものを、この小さなとんぼ玉の中にほんの少しでも表すことはできないかと思い制作したものが、昨年発表した「森との境界にあるもの」でした。
人工の構造物を侵食しその領域を増していくことが森の意思であり、文明に対するささやかな抵抗であると思っています。
一年が経過した今、その意志の力が前作の玉をどのような形に変えたか。
ひとつひとつ楽しみながら制作しました。
経過した時間の長さの違いにより玉の表情は変わっていきます。
それを見比べていただければと思います。
以前に発表した「緑のモザイク」も、道端に生える草が舗道に敷き詰められた石のブロックを押しのけて伸びていくという彼らなりのささやかな反乱をテーマにしたものでした。
今回「緑のモザイク」は数は多くありませんがあらためて制作しました。
内田敏樹
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今回の展示会では、個人的に楽しみにしていた事が幾つかありました。
石版の一年後はといったメジャーな見所はもちろんなのですが、現在グラス2Hのオークションに出品されているあばれ玉の整った姿を見るのもその一つでした。
というのもこのあばれ玉は、とても試作とは思えない段階の仕上がりなのです。
否が応にも疑問と期待が大きくなっていきます。
個展で完成された作品を見てわかった事は、作家から見て出来上がった作品が今回の意図するイメージから少し外れたというだけのものだったように思われます。
覆ってしまえ、隠してしまえ、奥の方へ奥のほうへ、という世界を表現している中で、あの作品だけが一度覆った物を引っぺがして太陽の元にさらしたような雰囲気が出ているのです。
こうなると、完全な一品ものといわざるをえない作品のようです。
今回の個展はこれまでと違い、統一したイメージや方向性が感じ取れる晴らしいものでした。
みなさん、ぜひお出かけ下さいね。
【とき】
2013年10月26日(土)~11月2日(土) ※会期中無休
午前10時~午後6時(最終日は午後5時終了)
【ところ】
GLASS GALLERY「KARANIS(カラニス)」
東京都港区南青山5-3-10 FROM・1st 2F (GoogleMapで見る)
http://www.czj.jp/karanis/